一体いくら必要なの?車の維持にかかるお金を完全ガイド
車を購入すれば税金やメンテナンスなどの費用が思いのほか高くつくことがあります。維持費で後悔しないためには、どのような費用があり、どの車種を選び、そしてどのように利用するかなどを事前に検討しておかねばなりません。
保有しているだけで必要な維持費
税金
自動車税は毎年4月1日に車を所有している方に課税される税金で、660cc以下の車は軽自動車税として徴収されます。4月2日以降に車を新規登録すれば、登録月の翌月から次の3月までの期間に税金が月割でかかってくるのです。
税額は車の排気量によって異なり、排気量が多い車ほど税額は高くなります。
自動車重量税は車の所有者が支払う税金で、車の重さ、燃費や排ガスの性能、経過年数の内容で税額が異なります。ただし、軽自動車は車の重さで税額が異なることはありません。
なお、エコカー減税制度などの優遇税制があり、該当する車の場合は大幅な減税が期待できるでしょう。
車検料
車検とは車の所有者が国の定めた保安基準に車が適合していることを証明するという自動車検査登録制度のことで、車検の費用は法定費用と点検・整備費用になります。
法定費用は自動車重量税と自賠責保険料(後述)が対象でこれらの納付は車検時に必要です。
点検・整備費用は自動車整備会社などで行う点検や整備にかかる費用で、交換が必要となる部品やオイルなどの費用も別途発生するかもしれません。特に年式が古い車ほどこの費用は多くなるでしょう。
費用は、一般的に自動車整備会社、ガソリンスタンド、車ディーラーの順で安いとみられています。特に全国ネットの自動車整備会社や車部品販売会社などはかなり安いケースもあるのでしっかりチェックしておきましょう。
保険
車の保険は自賠責保険と任意保険に分けられます。前者は法律で定められた加入義務のある保険で、後者は個人の判断で加入する保険です。
自賠責保険の保険料は普通自動車、軽自動車、加入期間(月数)によっても異なり、費用の支払いは購入時や車検時になります。普通自動車の保険料は24カ月加入で27840円、軽自動車は24カ月加入で26370円(平成27年度)と重い負担ではないですが、死亡事故の補償額が3千万円などと高額とはいえません。
任意保険は自賠責保険の補償を補完するもので、その保険料は各保険会社とその補償内容によって異なってきます。対人・対物の補償や車両への補償などをどのような内容にするかで大きな差が生じるわけです。また、ほかにもノンフリート等級、車種、年式、装備、運転者の年齢、使用目的や年間走行距離などにも影響されます。
そのため任意保険料を低く抑えたい方はダイレクト型の保険会社を選ぶほうがよいかもしれません。また、補償内容では車両保険をなしにする、補償金額を低めに設定する、といった内容にすれば保険料は軽減されるはずです。
駐車場代
駐車場代は借りる地域で相場が大きく異なります。大都市圏で駐車場を借りる場合、月数万円ほどかかることもありますが、地方では月数千円ほどで借りられることもあるのです。
ただし、同じ地域でも個人が営んでいる駐車場ではかなり安い賃料を設定しているケースもあるので、十分に調査してみる必要があるでしょう。
そのうち必要、使えば必要な維持費
メンテナンス費用
車を使用すれば、部品などが故障したり劣化したりして交換が必要になります。この傾向は車の使用度が高いほど、年式が古いほど強くなり費用は増加していくわけです。
半年から3年ほどの間で交換が必要になるものは、エンジンやブレーキのオイル、フィルター、ワイパー、バッテリーやタイヤなどがあります。ほかにブレーキパッドやホース類などの部品の交換も必要になるでしょう。
なお、各部品には純正部品以外の他のメーカーのもの、さまざまグレードがあり価格帯は広範囲です。維持費を少なくするためには部品類の価格も事前に調べて適切なものを選ぶ必要があります。
燃料代
燃料代は車の利用の仕方、走行距離や車の燃費性能などによって変わってきます。
一般的に車が小さく軽いほど燃費性能は高く、大きく重いほど燃費性能は悪くなり、普通自動車よりも軽自動車のほうがよいといえるでしょう。例えば、軽自動車の中にはリッター30km(カタログ値)の性能を有する車もあるほどです。
しかし、普通自動車の燃費性能も向上しており、特にハイブリッド車の中には軽自動車の燃費性能に匹敵する車も登場しています。
車を購入する時には、年間走行距離と実際の燃費性能からどの程度の燃料代がかかるかを試算して選ぶようにしましょう。
高速料金
高速料金は利用する回数や移動距離が長くなれば料金は高くなります。また、車種により高速料金が異なるケースも多く、小さい車ほど低めの設定になっているのです。
軽自動車と普通自動車を比較すれば、軽自動車のほうが安上がりになるでしょう。そして、長距離を走るほどその差は大きくなるので、車で遠出したい方は高速料金の検討は欠かせません。
維持費が安い車種、高い車種はどれ?
車種で維持費を分析すると以下のような内容になります。
3タイプの年間ベースの主な維持費 単位:円
車種 | 軽自動車 | 1300CC(1t) | 2500CC(1.51t) |
---|---|---|---|
自動車税 | 10800 | 34500 | 39500 |
重量税 | 3300 | 8200 | 16400 |
自賠責保険料 | 13185 | 13920 | 13920 |
任意保険料 | 55400 | 67200 | 85700 |
車検代 | 13000 | 13000 | 14000 |
ガゾリン代(1万km/年) | 69400 | 80100 | 176100 |
オイル交換代(年2回交換) | 6200 | 7200 | 9600 |
タイヤ代(3年で交換) | 8000 | 10700 | 17300 |
駐車場代(月1万) | 120000 | 120000 | 120000 |
合計 | 299285 | 354820 | 492520 |
*エコカー減税対象外、年式13年未満
*車検代は点検・整備費用のみで税金等は除外。低価格の1日車検を参考
*ガソリン代=1万km×実燃費×125円/L 実燃費=カタログ値×0.6で計算
*任意保険料は損害保険料率算定機構の「くるまに関する保険関連の統計」(平成26年度)のデータより算出
また、国産車と輸入車を比較すると輸入車のほうが維持費は高くなりそうです。税金、保険料やガソリン代などはほぼ同じですが、点検・整備費用や部品代などが国産車よりも高めになりやすいので注意しましょう。
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