医療費が1割負担になる!「自立支援医療(精神通院医療)」を解説
医療費の負担は3割、というのは当たり前のものとして知られていますが、実は病気によっては3割かからない制度があります。これを上手に利用すれば、節約しながら病気の治療を行うことができます。
今回紹介するのは「自立支援医療(精神通院医療)」という制度です。名前のように精神を病んで通院する場合に安くなるというもので、年々増加するメンタルを病んでしまった人にとってはありがたい制度になります。使えるものは使って早く症状を回復させましょう。
精神科の医療費は高い!?
あまり知られていないかもしれませんが、日本の場合、歯科医を除いて、医師ならば自分の専門診療科目以外の処方もできます。つまり、眼科の人が風邪薬や抗生物質を処方することもできるんです。
しかし、出してくれてもせいぜい弱い薬(葛根湯とかPL顆粒とか)止まりです。これは専門外の処方をして、患者さんに何かあっても責任が取れないからです。
精神科で出される薬も同様です。睡眠薬だけでなく、抗うつ薬や精神安定剤も一部のすごく特殊で強力なもの以外は他の診療科目でも出せるのです。
「心療内科」「神経科」などと謳っているクリニックの中には、専門は内科だったり耳鼻科だったりするところもあります。そうしたところでも、メンタルが病んだ人向けの薬を出すことは可能です。
しかし、脳に直接作用する薬ですから迂闊な処方はできません。したがって、「心療内科」で処方されるものはすごく弱い睡眠薬や精神安定剤(肩こりに効くくらいのもの)に限られています。
一般的に「精神科」と呼ばれて、メンタルの治療を専門にしている病院には「精神保健指定医」と呼ばれる医師の中でも特別な資格を持った人がいるはずです。各種書類(ここで述べる自立支援の診断書)や休職の診断書などもこの資格を持った人のものでないと受け付けてくれません。
なぜこのような資格があるのかについては省略しますが、精神科の中には症状が重い患者さんを「措置入院」させる必要がある時があります。よく言われる、檻のある閉鎖病棟に入れて、身体を拘束して・・というあれです。本人の意思に反して身体を拘束するのは人権にかかわるものですから、しっかりとした国家資格を持った人でないとできません。
その精神保健指定医の診察にかかる場合、診療費の内訳の欄に「診療報酬 精神科専門療法」という欄があると思います。これが「600点~330点」かかります。診療報酬は1点=10円ですから、6000円~3300円かかるということです。3割負担としても、2000円~1100円行くたびに通常の内科などに診察よりもかかります。
時間をかけて本当に診療してくれればいいのですが、日本の精神科医療は「5分診療」と揶揄されるように、薬を出してハイおしまいで、どんどん患者さんを回転させていきます。それだけ患者さんがいるからともいえますが、ほとんど「療法」をしていないのに内科などより多くの医療費を請求されると懐に痛いです。
しっかりとしたメンタルの治療を受ける(薬の処方を受ける)必要あり
→精神保健指定医がいる病院に行かなければならない
→精神科専門療法が加算される
→毎回1100円~2000円余分にかかる
「毎週来てください」などと言われると、診察代だけでバカになりません。また、日本の精神科医療の場合多くの薬が出されます(これには意見がありますが略)。そのため薬代も大変高く、1回の診察+処方で10000円を超える場合も珍しくありません。治療の前に破産してしまいそうです。
自立支援医療の概要
メンタルの病気から回復して自立していくためには、かなりお金がかかることが分かりました。しかし、それで診察をためらってしまっては、治るものも治らなくなってしまいます。そこで、高額になりがちなメンタル系の医療費を減らす制度として、「自立支援医療(精神通院医療)」というものができました。簡単に言うと、3割負担が1割負担になります。これだけで3分の1の費用負担で済みます。
精神保健指定医がいる病院に行き、「治療が長引きそう」という所見があればこの制度を進められるはずです。
制度は通院してから数か月で大丈夫なはずです。障害者手帳や障害年金とは別のカテゴリで、そこまで症状が悪くなくても使えます。メンタル系の疾患を治すためには年単位の通院が必要であり、薬を飲まなくなっても一定期間の通院が求められます。だから、この制度を利用した方がいいんです。使えるものは使いましょう。
申請(各自治体の保健や福祉の窓口)をすると、一定期間後「受給者証」が送られてきます。ただし、申請した日から使えますので、控えを病院や薬局に見せればOKです。
自立支援制度が受けられる病院・クリニックと薬局はそれぞれ1か所で、申請書に記入をして登録されます。特に薬局については、その時々で色々な調剤薬局を利用している人が多いと思いますが、メンタル系の薬を処方してもらう薬局は1つに絞ってください。他の薬局で薬が処方されないわけではないですが、その場合制度は適用されず3割負担になります。
自立支援制度は1年更新になります。1年ごとに書類を提出しないといけませんが、医師の診断書(保険が効かず自費、数千円)は隔年の提出でOKです。また、症状が重い方は障害手帳申請のための診断書と一緒に出せば、そちらの診断書で一緒に申請することができます(診断書作成料が1つで済みます)。
<制度の概要:厚労省HP>
上限額を超えれば無料、人によっては完全無料も
1割負担になるだけでなく、前年の世帯収入に応じて「毎月の支払い上限額」が設定されています。つまり、「上限額5000円」の人が、ある月に、精神科の診察料+薬代が5000円を超えた場合は、超えた分は無料になります。
世帯収入に応じての上限は、月0円(実質負担なし)、月2500円まで、月5000円まで、月10000円まで、月20000円まで、上限なし(必ず1割負担してもらう)などの上限が設定されています。
さらに、あまり収入が多いと、制度の適用ができない場合があるようです。診療費が高額で払えない人を助ける制度ですから、払えるだけの十分な収入がある人は従来通り3割負担でお願いします、ということですね。
世帯収入については、申請時に住民税の課税証明(非課税証明)を出してもらいます。住民税の決定時期は毎年6月10日前後ですから、そのあたりに申請しようと思った人は、前年と前々年どちらのほうが課税額が少ないかで判断してください。
つまり、前々年のほうが課税額が少ないと思うならば、6月10日前に課税証明を取って早めに申請を出す、逆に前年のほうが少ない場合は、1回分診察を3割負担で受けてから前年の課税証明を6月10日以降に取って申請する、という方法もあります。詳しくは自治体の窓口で聞いてみるといいでしょう。
ついでに別の病気の薬をもらった場合は?
1割、あるいは人によっては無料になるのだから、一緒に風邪薬や湿布をもらいたいという人もいるかもしれません。冒頭に書いたように、どの診療科目の医師でもどの薬も処方可能です。
「ついでに」精神科医(精神保健指定医)がいつもの精神薬に加えて、風邪薬や抗生物質、湿布などを処方することもできます。専門的な内服薬は嫌がるでしょうが、湿布やイソジンくらいなら処方してくれるはずです。
その場合、湿布やイソジンも1割になるのか?というとそうではありません。その薬の分はしっかり3割薬局で請求されます。ただし、医師の診察の方は一緒ですので、1割負担のままです(というか料金は変わらないはずです)。
1割負担になるのは
といった精神薬(メンタルの治療そのもののための薬)と、その副作用を抑えるための薬です。メンタルの薬は副作用が出やすいことで知られています。例えば、「アモキサン」という抗うつ薬を飲むとかなりの人が便秘になります。これまで便秘に悩んだことがない人も有無を言わさず便秘になります。したがって、一緒に下剤を飲まないといけないのですが、その下剤についてはメンタルの治療と関係するので1割負担になります。
しかし、胃薬は副作用に関係しないので、ついでに出してもらっても3割負担ということです。もっと言うと、そのついでに出してもらった薬を薬局で処方してもらう場合、もし毎月の負担が0円の人の場合、メンタルとは関係ない処方になるので、その分の調剤料や薬代は請求される=無料にならないということです。
医師の診察、処方箋料は無料の人は別の薬をついでに出してもらっても無料ですが、薬代はかかるということです。また、咳がひどくて血液検査をしたりレントゲンを撮ったりした場合は、もうメンタルとは関係ないので病院でも医療費の請求が3割であります(もっとも、レントゲンがある精神科は少ないでしょうが)。
・メンタルの診察→1割
・「ついで」に別の薬を出してもらう診察→1割
・メンタル系の薬→1割
・メンタル系の薬の副作用を抑える薬→1割
・関係ない薬(風邪薬、湿布・・・)→3割
と覚えておきましょう。簡単な薬ならばついでの診察、処方をお願いしてみるのも、本来の医療からは外れますが節約術の1つです(診察代が1割だから)。
保険に入れなくなる!?
自立支援制度を利用すると生命保険や入院保険など「民間保険」に入れなくなる?と思われるかもしれませんが、制度の利用と保険加入については関係ありません。
身もふたもない言い方をすると、精神保健指定医がいる精神科に継続して通っている時点でダメです・・・。それが嫌ならば、精神保健指定医ではない人がやっている「心療内科」や普通の診療科目の「かかりつけ医」に事情を話して薬をもらうしかないです。
しかし、その人たちは専門ではないので適切な処方ができないかもしれませんし、強い薬は処方されないはずです(怖いから)。そうこうしているうちに症状が悪化して、引返せないところまで来てしまう・・・ということもあるかもしれないです。
保険への加入と精神保健指定医への通院が「トレードオフ」の関係にあると思ってください。メンタルを病んだらこれ以上悪化しないように腹をくくって、精神保健指定医がいる病院へ行き、自立支援を活用しながら治すしかないと思います。
ちなみに通院歴があっても入れる保険もあります。ただし、「メンタル系の入院費などは出ない」とか、保険料がかなり割高のものになってしまいます。病む「因子」があると判断されるので、仕方がないのかもしれません。
回復し症状が安定するまで通院は不可欠
メンタル系の場合、他の通院のように
・ウィルスがなくなった
・腫瘍を完全に切除した
・血液の数字が正常に戻った
・骨がくっついた
という「完治」の概念がありません。元の状態に戻って数年すぎて「寛解」と呼ばれるところまで通院して持っていくのが最終目標です。体を切って中を見るわけにもいかず、レントゲンやCTスキャンで分かることもなく、血液検査でもわからないので「完治」という概念がないんです。
だからその「寛解」まで数年病院へ通う必要があり、その都度「精神科専門療法」1100円~2000円を払うのは大変なので、「自立支援医療(精神通院医療)」を活用しましょう、という話になります。節約というよりもかなり家計にかかわってくる話ですので、もしメンタルを病んでしまった場合はこの話を思い出してみてください。
まとめ
・自立支援医療とは精神科での診察代+薬局での薬代が1割負担になる制度
・3割負担の場合「精神科専門療法」で診療報酬がかなり高くなる
・精神保健指定医がいる病院=自立支援医療を使える病院
・そうでない内科などでも精神薬は出せるが、医師は嫌がるし専門的な治療ができない
・精神科での診察のついでに他の薬を処方してもらうことも可能(ただし簡単な薬)
・その場合診察代は1割負担だが、ついでの薬代は3割負担
・自立支援医療は前年の収入に応じて毎月の支払上限があり、収入が低いと1割負担以下の実質無料になる
・世帯収入が多いとこの制度が利用できないケースがありその場合は通常の3割負担になる
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市販薬でも税金が減る!「セルフメディケーション税制」について解説します
皆さん、年末調整や確定申告の時に「医療費控除」使っていますか?「そんなに医療費かからないから意味ないよ」「領収証も捨てている」、そんな人も多いかもしれません。今回紹介する「セルフメディケーション税制」は平成29年分の所得の確定申告から利用できる新しい薬に関する控除制度です。具体的にどのようなものなのか、以下で紹介していきたいと思います。うまく活用すれば節約につながるかもしれません。
皆さんご存知の医療費控除ですが、これを受けるためには、年間にかかった医療費が10万円以上あることが条件になります。
・医療費控除の条件
(1年間にかかった医療費全部)-10万円=控除額
※所得が200万円未満の人は
(1年間にかかった医療費全部)-(所得×5%)=控除額
配偶者や生計を一にする家族のものも入れられるとはいえ、年に数回の風邪、かかるかどうかわからないインフルエンザ、花粉症がひどい時期以外は病院なんて行かないよ、という人も多いと思います。
特に1人暮らしの人ならば、10万円を超えることはほとんどなく、大きな事故や病気で入院、くらいにならないと10万円は超えないですよね。そういうことが分かっているから、病院や薬局でもらった領収証はそのまま捨ててしまうという人も多いと思います。
10万円超えるためにわざわざ病院に行きまくる、なんて人もいませんよね。だから、あまり使われない控除制度になっていました。そんな中で登場したのが「セルフメディケーション税制」というものです。
新しいセルフメディケーション税制の内容とできた背景
セルフメディケーション税制の概要
2017年(平成29年)1月1日からスタートした新しい制度で、「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」と呼ばれます。あくまで「特例」なんですね。
厚生労働省HPより制度概要
平成29年分の申告、つまり2018年(平成30年)2月~3月の確定申告や、2017年末の年末調整から利用できます。
具体的には、「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人」として、一定の定期健康診断などを受けている人が、2017年1月1日以降に購入した市販薬(要指導医薬品および一般用医薬品)の中で、医療用から転用された特定成分を含む医薬品を「年間1万2000円を超えて」購入した際に、1万2000円を超えた部分(上限金額:8万8000円)について所得控除を受けることができるというものです。
簡単に言いかえると、薬局で買った特定の風邪薬、胃薬、咳止め、湿布など市販薬を年間12000円以上買った場合、その領収証をつければ
(買った市販薬の合計金額)-12000円=控除(上限88000円まで)
となる制度です。つまり市販薬を
10万円分まで利用できる制度です。
利用できる薬は要指導医薬品および一般用医薬品で、箱などに
のマークがついています。
対象となる薬の一覧は、厚生労働省のHP
で見ることができますが、薬局の人に聞いたほうが早いかもしれません。
筆者ものどが痛くなってしまい、ドラッグストアで鎮痛薬を購入したところ「OTC医薬品」というマークがついていました。これは、もともと医師の処方が必要な薬でしたが、規制緩和で薬剤師から対面で説明を受ければ薬局で買うことができるようになった薬です。(したがって薬剤師(ただの店員さんではない))から購入しました。セルフメディケーション税制に使える薬のマークになります。
ちなみに、レシートには「セルフメディケーション税制対象商品です」という記載があります。これを18000円以上集めると控除になります。もちろんそうではなく医療費控除のための領収証にもなります。鎮痛剤ですから問題ないです。
セルフメディケーション税制ができた背景
ご存知のように日本は高齢化社会で、お年寄りの医療費が多くかかり、国全体の医療費も激増しています。病院へ行けば保険が適用されるため、保険料がどんどん圧迫されていきます。かといってこれ以上保険料を上げていくのもまた難しいですよね。
お年寄りがどうこうではなく、ちょっと頭痛がするから痛み止めを、肩が痛いから湿布を、と言って病院へ行くと、薬代だけではなく医師の診察代もかかり、それが保険料から支払われます。この中には健康管理をすればある程度予防できるものもあるかもしれません。
というわけで、病院へ行かないで自分で薬局で薬を買って治してください、ということを促すために「動機づけ」として所得控除になる制度ができました。これがセルフメディケーション税制というわけです。健康を自分で管理すれば特典があります、それは通常の医療費控除より条件が緩いですよ~というものですね。
セルフメディケーション税制を受けるための条件
セルフメディケーション税制を受けるためには条件がありますので説明します。
税金をしっかり納めている人
納税義務がある所得税や住民税(前年分)納めていることが条件になります。税金の申告ですから当然ですよね。もちろん、病気などで働けず納税義務がない人や、所得が納税ラインに達していない人はそのままで大丈夫です。
健康診断等を受けている人
セルフメディケーション税制は、ただ単に市販薬を買いまくればいいということではありません。薬漬けになるのが肯定されるわけでもなく、「きちんと自分で健康管理している人が市販薬を使って病院にかからなかった場合に控除する」という制度です。したがって、以下に挙げるものいずれかを受けている必要があります。
・保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査(人間ドック、各種 健(検)診等)
・市町村が健康増進事業として行う健康診査(生活保護受給者等を対象とする健康 診査)
・予防接種(定期接種又はインフルエンザワクチンの予防接種)
・勤務先で実施する定期健康診断(事業主健診)
・特定健康診査(いわゆるメタボ健診)又は特定保健指導
・市町村が実施するがん検診
※ 市町村が自治体の予算で住民サービスとして実施する健康診査は対象になりません。
会社員の人であれば、勤務先で毎年健康診断があるので大丈夫です。なお、セルフメディケーション税制の申告の際には、健康診断等の「診断結果」や検査や予防接種の時の「領収書」が必要になります。ただし、診断結果というこれ以上ないプライベートな情報を提出することは必要ありません。
①氏名、②一定の取組を行った年、③保険者、事業者もしくは市町村の名称又は医療機関の名称若しくは医師の氏名、以外の部分(結果の部分)は黒塗りで構いません(つまりコピーを提出します)。
□医療費控除との併用はできない
従来の「10万円‐医療費」との併用はできず、どちらかを選択します。セルフメディケーション税制は薬局で買った市販薬代だけですから、病院に行き診察、治療を受けて、医師の処方薬をもらった人は従来通りの医療費控除を利用した方がいいです。
ただし、10万円を超えるのはなかなかないわけですから、薬局で買った市販薬の領収証も取っておくといいでしょう(この中には医療費控除に使える薬もありますからね)。
「病院、薬関係の領収証はすべて取っておいて、1年が終わるときにどちらを選択できるか判断する」でいいと思います。
具体的に計算してみました
具体的にどのくらい税金が減るのか計算してみました。
課税所得400万円の人が6万円の対象市販薬を購入した場合
課税所得400万円の人は
所得税20%
住民税10%
がかかります。
①所得税の減税額(控除額:60000円-12000円×所得税率:20%)
=9600円
②個人住民税の減税額(控除額:60000円-12000円×住民税率:10%)
=4800円
9600円+4800円=14400円 税金が減るということになります。この人が病院にかかっていたとしても、薬局で購入した対象市販薬と合わせて148000円以上使っていないとこちらのほうが得ということになりますし、病院代や処方薬代と合わせて10万円以下ならばそもそも控除ゼロなのでセルフメディケーション税制を使った方が得ということになります。
やはり、12月まで全部の医療にかかった領収証を取っておいて、どちらが得かを判断すべきだと思います。
具体的な申告方法や書き方については、近くなれば国税庁や厚労省、自治体のHPやチラシなどで案内があるはずです。
自分の健康管理にも目が向いて、結果的に税金も安くなればこんなにいいことはないですよね。ただし、本当に高熱などで具合が悪いときは病院へ行かないとダメですので注意してください。
まとめ
・セルフメディケーション税制は2017年から始まった新しい税制
・増え続ける医療費抑制策の一環
・特定の市販薬を購入した場合、12000円以上10万円未満ならば所得控除が受けられる
・薬局で買った薬の領収証が必要
・対象となる薬にはマークがついている
・定期健康診断や人間ドック、予防接種など健康への取り組みが条件
・従来の医療費控除と併用はできない、どちらかを選ぶ
・年末まで待ってセルフメディケーション税制と医療費控除どちらを使えるか判断するとよい
・薬の領収証は年末まで取っておく
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どんな時・どんな人が借りれる?奨学金の種類や条件・返還制度ナビ
奨学金がワカル!
一言で奨学金と言っても、実は様々な種類があることをご存知でしょうか。
一つの奨学金制度だけを取り上げて、このような立場の人がこのような奨学金を得ることができると断定して考えることは適切とは言えません。
そこで今回は代表的といえる奨学金制度事例をいくつか取り上げ、それぞれどのような立場の人がどのように利用できるかなどを「ワカル」ように解説して参ります。
奨学金を出してくれる組織、団体にはどのようなものがあるの?
奨学金の種類や条件などを理解する上で特に大切になってくることが、組織や団体を含めて「誰が」奨学金制度を提供しているかということです。
奨学金を給付する団体や組織等が異なれば自ずと制度内容や条件等も異なってきますので、その点を把握することが奨学金制度を幅広く理解する上で不可欠といえます。
そこで奨学金における代表的な組織、団体からご紹介することに致します。
JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)
JASSOとは文部科学大臣が主務大臣を務める独立行政法人で、国家事業としての奨学金制度の他、留学生の支援事業などに取り組んでいる組織です。つまりJASSOが提供している奨学金制度は国が定めた「公的奨学金制度」と言えます。
地方自治体(都道府県および市町村)
奨学金には地方自治体が独自に行っている奨学金制度があります。
例えば医師不足に悩む地方自治体が医学部生に対して、医師免許取得後その地方自治体が指定する病院に9年以上勤務することを条件に、返還不要で学費全額と在学中の生活費の一部を奨学金として支給してくれる制度などあります。
尚、地方自治体といっても都道府県に限らず、市町村レベルで独自の奨学金を創設している場合もあります。
大学
多くの大学では、学生の学費や生活支援を目的として大学独自の奨学金制度を設けていますが、給付の条件や返還制度は大学によって異なります。
民間企業が設立した公益法人や非営利法人
例えばトヨタ自動車や帝人、東電、ダイオーズ、コカコーラ等の大手企業が財団法人を設立し、その財団法人を通じて一定の条件に該当する学生の学費や生活費等を支援する目的で奨学金を提供している場合があります。
どんな奨学金があるの?
奨学金を提供してくれるおよその組織や団体がわかったところで、ではどのような奨学金があるのか具体的な事例を確認してみることにしましょう。
JASSOの場合
1.種類
まず国の奨学金制度の種類としては「第一種」、「第二種」と、第一種か第二種のどちらかと同時に申込むことが条件となっている「入学時特別増額」の計3種類があります。
「第一種」は「利息が付かない奨学金」、第二種は「利息付の奨学金」で、「入学時特別増額」は入学時に一度だけ貸与を受けられる「臨時の奨学金」と言えます。
2.対象
・第一種
日本国内の大学や大学院、短大、高専等に在学する学生の中で成績が優秀であり、なおかつ経済的な事情で修学が困難な学生が対象となります。
具体例で言えば高校時代の全成績の平均値が5段階評価で「3.5以上」、世帯人数4人の場合で給与所得が747万円以下等になっています。
この条件だけを見ればそれほどハードルが高いようには思えないかも知れませんが、実体として第一種の審査は厳しく、奨学金を得ることはかなり狭き門という状況です。
・第二種
第一種と同じ立場の学生が対象ですが、成績水準としては平均以上で良く、世帯人数4人の場合で給与所得が1,100万円以下と第一種より緩やかな審査基準になりますので、かなりの学生が対象になってくると言えます。
・入学時特別増額
4人世帯で年収400万円以下、もしくは「国の教育ローン」を申し込んだのに不採用となってしまった場合に対象となります。 年収制限がかなり低いため、対象となる学生はかなり限られます。
3.第二種の奨学金貸与利息
奨学金の貸与がいつ終了したか等によって細かく利率が区分されていますが、最大利息は2.0%と決まっていますので、利息は0.1%から最大でも2.0%と考えれば良いといえます。
4.注意点
多くの学生が利用している奨学金が第二種ですが、もし奨学金返済が遅延した場合には年10%もの遅延利息が加算される上、例えば9カ月以上支払いが滞った場合には家財等の差し押さえ等、厳しい取立てが行われている現状があります。
JASSO以外の事例
日本の大学等に通う学生があまねく対象となるのはJASSOですので、奨学金制度として特に詳しくご紹介しましたが、対象は限定されるものの
- ・「地方自治体」
- ・「大学」
- ・「公益法人」
なども奨学金を支給していますので、それぞれの「事例」も見てみることにしましょう。
地方自治体の事例
「教育支援資金制度」といって、一定の所得以下の世帯(例:4人世帯で月額31万9千円以下の所得)を対象に、高等学校なら月額35,000円、大学なら月額65,000円を上限として自己負担が困難な学費分について各都道府県の社会福祉協議会が学費の貸付を「無利子」で行ってくれる制度があります。
この制度を利用して貸与された資金は据置期間を除き、14年以内に返還すればよいことになっています。
勿論利用できるのは、自分が住んでいる都道府県の社会福祉協議会となります。
大学の事例
一橋大学の事例で紹介しますと、同大学には「学業優秀学生奨学金制度」というユニークな奨学金制度があります。
この奨学金制度は特に学業の成績が優秀な学生に対して、月8万円×12ヶ月返還無用の奨学金を支給するという制度です。
1年間限定の奨学金制度とはいえ、返還無用であるためそのハードルは大変高く、この奨学金を受け取ることができる学生は一橋大学の各学部各学年で1名ずつ、計12名という大変狭き門の奨学金制度です。
公益法人の事例
「公益財団法人アイザワ記念育英財団」の事例を紹介しますと、同財団では「学業成績が優秀」、「学費の支払いが困難な経済状況」にある学生を対象として毎年4月頃募集を行い、最長2年間、月額3万円を奨学金として支給してくれます。
月額3万円の奨学金は返還の必要がありませんので、そのまま学費や生活費の足しとして利用することができます。
ただしこの奨学金を得るには同財団が実施する「書類選考」と「面接選考」に合格する必要がありますので、誰もが容易に利用できる奨学金とは言えません。
また、JASSOを除いた他の奨学金との併用は不可となっています。
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このように、日本の代表的な奨学金支給組織はJASSOであり、奨学金として数多くの学生が利用しているのは「第二種」です。第二種は利用しやすいことは事実ですが、第二種だけに限定して奨学金制度を考えることは得策とは言えません。
ご紹介したとおり、経済的事情や学業成績等、対象が限られてくるとは言え、地方自治体や大学、公益法人などでも奨学金制度は数多く提供されています。
経済的事情により学費の支払いが困難になった場合、JASSOは勿論、JASSO以外でも自分が対象になる奨学金がないか、通っている大学や地元自治体、公益法人などに目を向け、できる限り問い合わせや相談を行ってみることが大切だと言えます。
貧乏夫婦でも心配ない!子育て支援の種類や手続き方法
子育てには何かと費用がかかるものですが、手厚い、もしくはユニークな子育て支援制度を通じて住民の子育てを応援してくれる頼もしい自治体があります。
そこで、子育て支援にはどのような支援策があり、どのような手続きが必要なのかの他、「これは手厚い!」と言える子育て支援制度を提供している自治体をランキング型式でご紹介して参ります。
子育て支援制度における国と都道府県、市町村の役割の違いはあるの?
一口に「子育て支援制度」と言っても、実は支援制度を行う行政組織によってその意味合いや内容が変わってきますので、それらの違いを確認しておきましょう。
国の支援
まず国レベルにおける「子育て支援制度(子ども・子育て支援制度)」とは、簡単に言えば幼稚園、保育所、認定こども園などの設備拡充を図ったり、法律を改正して利用しやすくしたりすることなどを指します。
つまり主な対象は「園児や未就園児の子育て」となります。
都道府県の支援
つぎに都道府県の立場における子育て支援制度とは、国の制度設計に従って保育園や幼稚園等の認可を行うことが主な任務であり、主な対象も国同様となってきます。
また、国や都道府県の子育て支援制度は住民に対して直接的な支援を行うものではないのです。
ではお金がかかる子育てに対して、行政は直接的な支援を行ってくれないのかというとそのようなことはありません。
そうした直接的な支援を行ってくれるのは「市町村」です。
市町村の支援
市町村における子育て支援制度は園児や未就園児に限定されず、市町村によっては赤ちゃんから高校生まで幅広く対象としている場合もあります。
その一方、市町村が提供する子育て支援制度は全国一律的な制度とは言えず、市町村によってとても手厚い支援を提供してくれる場合もあれば、直接的な経済支援は何もないという市町村もあります。
子育て支援にはどんな種類がある?
では市町村単位でみた場合に、どのような子育て支援制度があるのでしょうか。
市町村が行っている子育て支援制度は、次の通り大きく二つに分けることができます。
- 給付型支援
- 無償型もしくは割引型支援
給付型支援
例えば子供が生まれた時や子供が小学校に入学した際、市町村が独自に現金や商品券などを直接「給付」する方法で子育て支援を行う場合のことです。
現金や商品券を直接受け取ることができますので、使い道は受け取った家族が決めることができる点が給付型支援の特長といって良いでしょう。
無償型もしくは割引型支援
例えば子供が中学校を卒業するまでは医療費の自己負担分を市町村が肩代わりしてくれたり、市町村が運営する保育所や各種施設を利用する場合には無償、もしくは料金の割引サービスを行うことで支援を行う場合のことです。
こちらの支援は例えば市町村の保育所に通った場合の学費だけが対象になる等、対象が限定される点がデメリットです。
しかし、一時的に得られるだけの給付型と異なり、子供が一定年齢に達するまで長期間利用できる場合が多いため、トータルで考えれば大きな経済的メリットになることが多い点が特長です。
どのような手続きが必要?
市町村が実施している子育て支援制度を受けるにはどうすれば良いかですが、中には子供が一定の年齢に達したら通知をしてくれるサービスの良い自治体もありますが、多くの場合、対象となる子供がいる住民側からの手続きが必要です。
市町村の役所へ行き、子育て支援制度を担当している課の窓口を訪ね、所定の申込み書を作成して提出することが基本となります。
全国にはこんな手厚い子育て支援を行ってくれる自治体がある!子育て支援制度が充実している市町村ベスト5!
ご紹介したとおり、子育て支援制度の充実度は市町村によって異なります。
では全国にはどんな手厚い子育て支援制度を行っている市町村があるか、ランキング型式で皆さんにご紹介することにしましょう。
子育て支援制度が充実しているという点でワカル編集部が第1位に選んだのは、島根県にある吉賀町(よしかちょう)です。
吉賀町には給付型と無償型の両面から次のような子育て支援を行っています。
例えば公立小学校、中学校の学校給食費の平均値(文科省調べ)は年間約4万円程度なので、仮に小学1年から中学卒業まで給食費が無料となった場合には9年間で計約36万円の支出がなくなる計算となります。
また、医療費については高校卒業までが全額助成されるため、長期間にわたり自己負担分の3割がなくなることも大きな特典と言って良いでしょう。
第2位は九州、熊本県にある産山村です。産山村も村独自の手厚い子育て支援制度を用意しており、その内容は吉賀町に負けず劣らずです。
具体的には産山村では次のような支援を行ってくれます。
・出産前に1年以上産山村に居住していることを条件として子どもが誕生したら出産祝金として一人あたり10万円支給・児童手当制度として
0~3歳未満:月額(※)15,000円
3歳~中学修了まで:月額10,000円
第2子、第3子については3歳から小学校修了まで月額15,000円
(※月額といっても毎月支給される訳ではなく、支給は年3回4ヶ月ごととなっています。)
産山村の支援制度は子供が生まれた時の一時金だけでなく、その後も中学を卒業するまで月額で1万円以上の子育て支援金を給付してくれる点にあります。
産山村で子供が生まれて仮に中学卒業まで村にいたら、なんと累計で一人当たり150万円以上の給付額をもらえる計算になります。
第3位としてご紹介するのは、北は北海道にある松前町です。こちらは「出産時」に大きな支援を受けられます。
・出産祝い金(商品券)として第1子:20万円
第2子:30万円
第3子:50万円
を支給。
もし松前町に移り住んで3人の子供が生まれたら、合計100万円相当もの実質的な生活支援を町から受けることができる訳です。
この額は、3人の子育てを考えている世帯にとって大変大きな支援と言えるのではないでしょうか。
第4位としてご紹介するのは岡山県にあります高梁市です。こちらは第3子以降において大変手厚い支援を受けることができる点が特徴です。
・出産祝金制度として第1子:2万円
第2子:2万円
第3子:50万円
(出生時に10万円、一才になったら20万円、小学校に入学したら20万円で計50万円)
第4子:100万円
(出生時に20万円、一才になったら40万円、小学校に入学したら40万円で計100万円)
を支給。
ご覧頂いたとおり高梁市は第3子から一気に出産祝金が上昇します。北海道の松前町同様3人以上の子供が欲しいと考えている夫婦にとって、大変魅力的な支援制度を提供している市と言って良いでしょう。
同町の子育て支援制度はシンプルで明瞭です。
同町の住人となり、同町が運営する保育所から中学校に通えばその間給食費は一切不要です。
商品券や現金の給付といった制度ではありませんが、(同町内の)保育所から中学を卒業するまでトータル12年に及ぶ長期的な給食費支援を受けることができる点は大いに評価できます。
まとめ
ご紹介したランキング事例のように、少子高齢化に悩む地方の市町村には住民を増やす目的もあって、手厚い支援制度を通じて子育てを応援してくれる自治体が少なくありません。
転職するという大きな決断も伴うため、軽々に判断できないことは事実ですが、緑豊かな自然に囲まれた小さな町や村で自治体の支援を受けながら子育てに励むというのも決して悪い選択ではないはずです。
養育費に不安があるという方は、子育てに熱心な市町村で子どもを生んで育てることも検討してみては如何でしょうか。
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法人口座の開設方法がワカル!口座開設しやすい銀行と落ちやすい銀行
口座開設しやすい銀行と落ちやすい銀行
法人を立ち上げた場合、「真っ先に」と言ってよいぐらいすぐに必要になるものが法人の銀行口座ですよね。
今時現金手渡しでお金のやり取りは行いませんので、口座がなければ仮に売上がたっても売上を受け取ることができませんし、そもそも銀行口座を持っていない法人は対外的にも信用されません。
ところが近年、特に開設したばかりの法人は口座の開設が厳しくなったとの声が多く聞かれます。
そこで今回は法人口座の開設方法だけでなく、どのような金融機関なら法人口座を開設しやすいのか等を「ワカル」ように徹底解説致します。
ワカル!法人口座の開設方法
法人口座はどうすれば開設することができるか、基本事項から確認することにしましょう。
法人口座開設は「準備」が大切!
法人口座開設は開設手続きそのものが難しい訳ではありません。
銀行側から求められる必要な書類を全て準備し、銀行側からの質問に対して誠実に事実を説明した上で、銀行所定の口座開設申込書を指示に従って作成・提出すれば後は審査を待つだけです。
では法人口座を開設するには何が難しいのかと言えば、一言で言うなら「銀行側に信用してもらうこと、認めてもらうこと」が難しいのです。
銀行側に真っ当な会社であることを信じてもらうためには、個人的な情熱は不要とまでは言いませんが相手は銀行ですので合理的に、客観的に信じてもらえる材料が必要です。
そのためには客観的に信じてもらえる材料の「準備」が特に大切になってきます。
ではどんな材料を準備することが必要かということですが、この材料は「必ず必要になるもの」と「あった方が望ましいもの」に大別できます。
では「必ず必要になるもの」からご紹介しましょう。
法人口座を開設する場合に必ず必要になるもの
・履歴事項全部証明書・銀行印
・法人の印鑑証明書
・代表者の身分証明書(運転免許証など)
・法人設立届出書(控※)
・青色申告承認申請書(控※)
※「法人設立届出書」と「青色申告承認申請書」はゆうちょ銀行で法人を開設する場合に必要です。
他行では求められませんが、他行においても提示すれば信頼度が増す場合がありますので準備しておくようにしましょう。
これらの書類は審査を受ける場合に必ず必要となるものですので漏れなど生じないよう十分気をつける必要がありますが、特に気をつけて欲しいのは「履歴事項全部証明書」です。
法人の商業登記簿謄本を申請する場合、「現在事項全部証明書」と「履歴事項全部証明書」のどちらを発行するかを申請書に明記する必要がありますが、どちらでも良い訳ではありません。
「現在事項全部証明書」ではNGとなりますので、名称が似ているだけにこちらと間違えないようにすることが大切です。
あった方が望ましいものとは?
そもそも法人口座の開設が厳しくなった主な理由ですが、近年急増してきたバーチャルオフィスで法人登記を行い、マネーロンダリングやその他の犯罪目的で法人口座を悪用するケースなどが急増してきたため、そうした犯罪を未然に防ぐ目的から大変審査が厳しくなってきました。
この点を踏まえれば、法人口座を開設する上で銀行側がどのような情報を求めてくるかが見えてきます。
法人口座を開設しようとしているその法人が、法人としての実体がともなっているのか、犯罪性などない真っ当な事業を営もうとしているか、事業を健全に運営できるしっかりとした計画があるか等を、できるかぎり客観的に信頼できる情報に基づいて審査したいと考えるはずです。
そうした銀行側の要請に誠実に応えることが法人口座開設の条件と言えます。
では、銀行側の要請に応えるべくどのような資料を事前に準備しておけばよいか、け準備しておいたほうが望ましいものをご紹介します。
参考情報:三菱東京UFJ銀行「法人口座を開設されるお客さまへ」
http://www.bk.mufg.jp/info/houjin_kouza.html
(例)
→会社または会社で販売している製品のパンフレット
→販売する製品そのもの、または見本品
→会社のホームページ画面(紙に印刷したもの)
→例えば工場があれば、それらの所在地が客観的に証明できる標識や建物などと共に撮影した写真など
・法人に取引の実態があることを証明できる資料
(例)
→お客様に提出した見積書や注文書等の写し
・許認可が必要な事業においてはそれら許認可を得ていることを証明できる資料
(例)
→古物商許可証など
・法人組織としての実体があり、健全な事業計画にもとづいて運営されようとしていることを証明できる資料
(例)
→株主名簿(氏名、現住所、連絡先が明記されているもの)
→株主全員が参加し、全員分の署名、捺印がされている株主総会の議事録
→事業計画書など
これら用意するものを考える上でのポイントは「客観的な証明となる資料かどうか」という点です。
法人を設立したばかりでまだ見積書や注文書を発行したことがないという場合、何も提出しないよりは自社で作成した専用の見積書や注文書などのフォーマットを提示した方がましです。
しかし、それらを判断する側の立場で考えて欲しいのですが、フォーマットだけなら無料の雛形等ネット上で簡単にダウンロードできますので、それに社名を入力すれば簡単に出来てしまうため説得力は乏しいと言えます。
ならば、法人口座を開設する前にできる限り大手企業などに営業を行い、見積書だけでも提出させてもらうようにすれば、法人口座開設時に提出できる有力な材料になりますし、何より事業のプラスにもなります。
どんな金融機関なら法人口座を開設できる可能性が高いの?
いくら資料を頑張って整えたとしても、特に設立したばかりの法人は事業実績等がないため、どうしても信頼性にかけてしまいます。
そのため、多くの銀行が厳しい判断をする場合が多いのは残念ながら事実です。
しかしながら、一口に銀行と言ってもそれぞれ独立した企業体であり、全て横並びの判断しかしないという訳ではありません。
法人口座開設はどこも容易ではありませんが、その中において「比較的」法人口座を開設しやすい順に銀行をご紹介します。
信用金庫
営業地域が限定されている信用金庫は地元密着型の営業活動を行っていますが、その信用金庫が営業する地域に「法人の本店」と「代表者個人の住居」がある場合には、都市銀行などでは断られたケースでも法人口座を開設できる場合があります。
誤解して欲しくないのですが、信用金庫は決して審査が緩いという訳ではありません。
例えば信用金庫なら地元のビルオーナーと長年取引を行っていることは珍しくなく、法人登記を行ったビルが暴力団関係者や実体のない企業は入居できないビルであること等を事前に把握できている場合があります。
こうした地元密着ならではのネットワークと密度の高い情報を有しているから信金なりの評価や判断を加味できる場合があるため、都市銀行とは異なった評価になる可能性があるということです。
地方銀行
地方銀行も信用金庫よりは営業エリアが広いものの地元密着が基本となりますので、全国的に展開しているメガバンクなどよりは法人口座を開設しやすい面はあります。
ただしこちらも信用金庫同様、法人の本店所在地は勿論のこと、代表者個人の住居がその地方銀行営業管轄内であることが望ましいことは言うまでもありません。
また、代表個人が長年その地銀エリアに住んでいて、それこそ親の代から代表者に至るまで長年その地銀で個人口座を開設しており、かつ長期にわたり積立預金を継続してきた実績などがあれば、評価が大きく異なってくる場合もあります。
ネット銀行
インターネット上ではネット銀行は比較的法人口座を開設しやすいといった噂が根強いのですが、これはあくまで比較論です。
確かに三菱東京UFJやみずほといったメガバンクではダメだった場合でも、ネット銀行では開設できたという事例は見聞されています。
しかし支店を訪問して熱意を持って交渉や説明ができない点では提出書類のみの勝負となってしまう点で、信金や地銀などよりは難しい「場合」もあると考えた方が適切です。
その一方で、法人の事業内容等を客観的に説明できるペーパー資料が十分に整っているという場合なら、チャレンジしてみる価値はあると言えます。
一昔前なら銀行口座の開設は容易だったと言うより、設立したての法人でも銀行の方から積極的に口座開設営業を受ける時代もありました。
ところが、時代変化と共に残念ながら犯罪の温床として法人口座が悪用される機会が増えてしまったことで、善良に事業で頑張ってゆこうと考えている新設企業にとっては受難の時代となってしまいました。
しかし、ご紹介したとおり、銀行が必要とする資料や情報をしっかりと準備し、犯罪とは無縁に誠実に事業を営んでいることを証明できれば法人口座は開設できます。
本記事を参考に、一つの銀行に断られたぐらいであきらめることなく誠実に銀行と交渉することで、ぜひ法人口座開設を実現させてください。
起きやすい金銭トラブルランキングを知って予防ガイド
金銭トラブルには様々なトラブルが存在します。
どのトラブルも人間関係が原因でと言えるでしょう。
友人関係、恋人関係、上司と後輩、夫婦、親子、関係性を問わず発生するものです。
人間関係の悪化を防ごうとしたばかりに、とんでもない金銭トラブルに発達することも珍しくはありません。
借金が原因の金銭トラブルでも「日常生活に困って仕方なく」と言うものばかりではありません。
投資、出資、支払、ギャンブルなど利益関係に関する事も少なくはないのです。
お金に絡む問題は、多種多様で大小問わず日常的なトラブルと言えるでしょう。
脅迫された、騙された、粘着された、詐欺にあったと言うような、個人では対処ができないような被害も日常的起こるのが金銭トラブルなのです。
金銭トラブルの種類
金銭の貸し借り
金融関連などからの金銭の貸し借りは、法律や過去のトラブルをもとにマニュアル化しています。
そのため、ルールを守る限りトラブルは起こり難いものです。
問題なのは、個人間での金銭の貸し借りです。
親しい間柄の場合、人間関係を悪化させないために借用書を作成しないことが殆どです。
催促をしても「待ってほしい」と言われ支払いを伸ばされてしまう事も少なくありません。
貸した金銭を回収できないだけでなく、人間関係が壊れてしまう事も多いです。
連帯保証人
連帯保証人は、金銭を借りた債務者が返済をしている限り関係はありません。
しかしいざ滞ると、利息や違約金、損害賠償金などの全ての債務に対し返済義務を負います。
家族や友人が独立を行い、事業資金を準備する際の保証人を頼まれ断れないと言う人も多いです。
事業が順調であるうちは、問題ありませんが、失敗した場合には個人で処理しきれない状態に陥ってしまうのです。
金額が多く、よほどのことでない限り連帯保証人になると言う人はないため、トラブルになる金額は大きいですが滅多に発生しないと言えます。
詐欺や脅迫
脅されたり、騙されたり等の不当な手段によって金銭を要求されるものです。
振り込み詐欺なども有名ですが、日々手口が巧妙になっています。
また最近急増しているのは、携帯・スマートフォンを利用した詐欺です。
詐欺サイトへの誘導や、詐欺アプリのインストール等によって金銭を要求されることが増えているのです。
婚姻関係に伴うトラブル
金銭トラブルで一番面倒だと言えます。
関係性が破綻していても、一緒に貯蓄した金銭関係、二人の関係性、子供等様々な要因から金銭に関わる取り決めが必要になってくるため、非常に厄介と言えます。
弁護士に相談? 金銭トラブルランキング
自分だけでは、判らない?
弁護士事務所に質問する人達の金銭トラブルランキング。
10位、同棲による金銭トラブル
同棲時の金銭トラブルの多くは、生活費・家賃・家事労働の分担に納得いかないためのトラブルが多いです。
時には財布からの金銭・クレジットカードの引き抜き等の悪質なものまであります。
同棲中の金銭トラブルは、話あいや同棲解消で解決します。
そのため、弁護士に対する相談は金銭に関するものより、その後の方に重点が置かれます。
同棲解消時に問題となる金銭トラブル
・金銭的に楽だった状態に戻りたいためにストーカー行為に発展。
・同棲が解消されたことで、付き合っていた間の費用請求。
同棲時の金銭トラブル予防
同棲相手との関係性を平等に行う事です。
生活費・家賃等を負担してもらっているなら、家事労働等の労働で対価を支払えばよいのです。
「愛があるから甘えても良い」「愛があるから甘やかす」ではなく、長く付き合うためには対等な関係が大切なのです。
この場合の対等とは、世間一般的に変わっていると言われても、本人達が納得しているなら問題ありません。
シッカリと同棲の際に話し合、自分たちのルールを決めてトラブルを回避することが大切です。
付き合っていた間の費用は贈与となるため、請求に応じる必要は全くありません。
9位、別居中の金銭トラブル
別居中の金銭トラブルにも、さまざまなケースが存在します。
・別居している実家・義実家との金銭トラブル
・別居中の生活費などの金銭トラブル
義実家に関わる金銭対策予防
一般的に警察も法律も不介入となっています。
だからこそ二人で徹底して話し合い納得し関係を築いていく必要があります。
「別居中の義家族への送金」等は、同意を得ていても不満となるものです。
話し合いだけではいけません。「当たり前」と思ってもいけません。
お互いへの労わりや感謝を忘れないことが、トラブル回避に繋がります。
別居中の金銭トラブル対策
別居中の生活費請求に関しても、最初に金銭的ルールを明確にしておくことが大切です。
別居中の生活費(婚姻費用)の金額は夫婦の合意により決定します。
離婚前提の別居であっても、夫が再試に生活費を渡さないことは法律的に禁止されています。
婚姻費用の夫婦間合意が決裂 → 調停で合意成立せず → 家庭裁判所の審判
話し合いの決裂は、非常に面倒な状況を巻き起こします。
家庭裁判所での婚姻費用の決定要因
・別居の期間と理由
・婚姻関係の破綻、有責の割合
・当事者の収入
・妻の就労、家事労働
・子の養育費
婚姻費用の分担義務は「別居解消し同居」「別居を解消し離婚」まで続きます。
8位、不倫による金銭トラブル
不倫関係時の金銭トラブルは、金銭の貸し借りに対する相談が殆どと言えます。
不倫関係で金銭トラブルを起こす人の特徴
人間関係を現実的にとらえてはいません。
何処か夢見がちとなり苦しい「禁断の恋」に酔ってしまい思考能力が低下します。
そのため、普通であればしない金銭トラブルにも発生するのです。
不倫の金銭トラブルはあきらめが多い
不倫中の金銭トラブルが、非常に問題となりやすいのは理由があります。
金銭の返済を請求することによって不倫関係がばれてしまうからです。
そのため不倫関係における金銭回収はリスクが大きいため諦める人が多いのです。
7位、恐喝
恐喝とは?
人の暴力を振るう、弱みに付け込む、暴力団を仄めかす、業務妨害、名誉棄損等で脅しながら金銭を要求することを言います。
この場合、金銭を要求しない場合は恐喝にはあたらず、相手を怯えさせることで脅迫にあたります。
恐喝と言う言葉自体が既に金銭トラブルを意味します。
対処法
脅迫・恐喝による金銭要求は、不意の事故のようなもので予防は難しいです。
あえて予防方法をあげるなら、日常的に気丈な態度をとっておくことでしょう。
恐喝・脅迫の対処方法は、殆どの弁護士は、
事実確認を明確にしたうえで警察に相談した方が良いと答えます。
悩む必要はありません証拠をそろえて即相談してください。
金銭を貸した側の恐喝・脅迫の悩み
金銭の貸借があり返済を迫る場合、非常にデリケートな問題となります。
乱暴な態度で挑めば、金銭を貸していても脅迫罪や強要罪で訴えられてしまいます。
金銭を返してほしい場合は、まずは内容証明を送り支払いを促します。
それでダメな場合は裁判を通じて返済要求・財産の差し押さえを検討する事が良いとされています。
その場合、自らの返済要求が正当であると示す借用書(返済期限・金利等の取り決めあり)をシッカリと作っておくと良いでしょう。
6位、ネットによる金銭トラブル
ネットで多い金銭トラブルは以下のような内容です。
・個人オークションの金銭トラブル。
・ネット上で知り合った相手との金銭
ネットで金銭トラブルが起こる訳
相手が本当に実在しているのかどうか不明確なままで金銭取引が進むところにあるのです。
身元情報を知っていることが、金銭トラブルを避けるために最も重要なのです。
ネットでの金銭トラブル予防
商品取引での金銭トラブル
相手の個人情報・商品情報・取引情報等も保管しておくことが大切です。
口コミや評価などにも非常に役立ちます。
個人間の金銭トラブル
ネットで知り合った人物との間の金銭の貸借・投資等は避けた方が良いです。
避けようのない場合には、免許証のコピー、振込証明書、借用書等を準備しましょう。
ネットの場合、不確かな事が多いです。
大切なのは「損失が諦めきれるか?」と言う覚悟です。
5位、男女関係による金銭トラブル
男女の間で多い金銭トラブルの順位は以下の通りです。
1位、お金の貸し借り
2位、プレゼントや食事などの金銭問題
3位、金銭価値観の相違です
1位、2位に関しては、交際関係が継続している限りは影響ないと言えます。
しかし、交際を解消してしまうことで状況は一転してしまいます。
男女関係の解消と金銭トラブルの危険性
金銭の返還を求めようにも連絡すら取れないということも少なくはありません。
このような相手とは別れてよかったと、人生の授業料と割り切れるなら良いです。
しかし、別れた相手に貸した金銭が返ってこないと言うのは、非常に腹立たしい事でしょう。
また、借りた方も「腹いせ」「慰謝料」「付き合ってあげた感謝のお金」等と開き直る場合も多いのです。
男女間の金銭トラブル予防策
このような場合も、金銭を貸したことを証明できれば返還請求が可能です。
借入れを証明できるものは、振込明細、メールのやりとり等でも通用します。
プレゼントや食事代は、民法上「贈与」となるため返還要求は成立しません。
価値観の相違は話し合いしか方法はありません。
お互いの妥協点を探りあうことが長く関係性を続けるために重要なため、存分に話し合いを行ってください。
4位、友人関係の金銭トラブル
友人関係におけるトラブルは、男女間以上に問題となる事が多いです。
なぜなら借りる側が金銭を借りる際に割り切っているからです。
「Aなら○万円くらいなら踏み倒しても許してくれるだろう」
「Bとなら関係が切れてもいいから、最後に○万円借り貰いしよう」
「子供同士が仲良しだし、返さなくても問題にできないだろう」
と言う割り切った考え方があるためです。
一般的に、友人にまで金銭を借りると言う事は余程の非常時です。
普通は、親兄弟、親戚、夫婦、恋人と自分を理解してくれる相手へと頼むものです。
友人にお金を借りるのは、その借金に正当な理由がないという事が多いです。
ギャンブルでの使い込み
パチンコの場合、「○万円負け続けたから、そろそろ勝つはず」と言う心理状態に陥ります。
しかし「パチンコでお金を無くした」と、普通なら金銭の要求はできません。
しかし、友人関係であるなら
「○万円パチンコで負けてお金が無くて困ってさ、家族に見つかると大変なんだよ」
と、家族に秘密にしたい借金として成立してしまう事が多いのです。
このほかにも、風俗、連帯保証人、収入に合わない浪費、浮気等が家族に隠したい借金として友人関係を頼ってくる人が多いです。
友人関係の金銭トラブル予防
【返済期限と返済がない場合、家族に伝える】と書かれた借用書に効果があります。
これに同意されない場合は「あげたものとして諦める」または「断る」と自分の中で決めておいてください。
3位 詐欺による金銭トラブル
刑法上の詐欺罪にはなりません。
「○×と言う状況(条件)で、お金を貸します」
この○×に「給料日までの1週間食費がない」と言う理由でお金を貸していたとします。
しかし、借りた側は、1万円を持っていました。
「(食費さえないと言う理由で)お金を貸したのに嘘だったから詐欺だ!」
と言う事にはなりません。
なぜなら、お金を返す可能性が残っているためです。
詐欺の定義
金銭トラブルを詐欺として立証するには【最初から金銭を返すつもりがなかった】と言う事実確認と証拠が必要です。
詐欺罪は、強盗・脅迫・恐喝等とは異なる面を持っています。
詐欺罪は、騙された側の落ち度も考慮され、客観的な証拠がないことには法的には対処されないのです。
お金を搾取される側は、詐欺と認識していても法的には詐欺とならないものは数多くあります。
マルチ商法、不動産詐欺、投資詐欺様々なものがありますが、どれも立証が難しいのが現実です。
原価10円のものを1000円で販売したとしても、本人が納得して購入したとされるため詐欺とはならないのです。
また投資などに置いても、絶対儲かる等と言うことはありません。
そのため詐欺として立証するのはとても難しいのです。
詐欺による金銭トラブル予防
・安易な儲け話や、不釣り合いな結婚は無しに注意をしましょう。
・自分だけは絶対に騙されないと言う思い込みは捨ててください。
・即断即決を行わない。
・他人の意見を参考にする。
2位、結婚による金銭トラブル
結婚生活が始まるとなれば、毎日の生活等金銭が絡まない事はありません。
これらの多くは、金銭的な価値観の違いにより発生します。
また、結婚してから借金がある事に気づいた。
実は浪費癖があったと言う事もあります。
結婚後の金銭価値観によるトラブル予防
シッカリと話しあって価値観の妥協点と解決策を気長に1つ1つ対処していくことが大切なのです。
双方との実家との関わりの全てにも金銭が関与してきます。
今後長く連れ添う夫婦関係を第一に考え、対処することがトラブルを解消するコツです。
これらは、トラブルと言うより長い時間を共に生きるための通過儀礼と言えます。
結婚をする際の1番大きな、そして1番多い金銭トラブルは結婚式なのです。
結婚式は金銭トラブルが沢山
結婚式会場には、相手との取引は一生に一度だけと割り切って極端な費用を請求する式場があります。
ブライダル業界では、下記3つの常識が存在するのです。
・見積もりは安く、契約後にオプション追加
・サービス料は別途請求
・あらゆるものに名目を付けて請求
見積もりを行い仮契約の時点で内金を支払います。
そして、追加や別途料金に不満が出てきたとしても、多大なキャンセル料がかかるため、容易にキャンセルできないのです。
金銭トラブルの多い式場を見極める
広告費さえ出しているのですから、広告が悪い評判を流すと言うことはありません。
同様に情報誌等もわざわざ悪い情報を広める事はありません。
ここで、重要なのは実際に利用した人の【口コミ】【評価】です。
式場の名前に トラブル、後悔、詐欺、最悪 等ネガティブな言葉を加えて検索してみてください。
匿名ならではの生々しい情報が掲載されています。
1位、離婚と金銭トラブル
離婚時のトラブルの7割が金銭トラブルで、内容は下記のとおりです。
・財産分与問題
・養育費問題
・慰謝料問題
財産分与
財産分与は双方が所持している財産を正確に申告する必要性があります。
しかし離婚を前提としているのですから、話し合いは非常に難しいです。
例え財産を半分にしても、離婚後の生活が出来ない。
不動産等の財産等もあり半分に分ける事が難しい。
こんな理由からも、財産分与がきっちりと半分に分けられている訳ではありません。
財産分与の話し合いは「財産はいらないから離婚をしたい」と言う離婚でもない限り、精神的にとても負担の多い話し合いが続くものです。
財産分与を話し合う際のポイントは、下記のとおりです。
・最初は、自分の生活や最低限死守したい案を練ったうえで話し合いを行います。
専業主婦が子供を引き取る場合には、離婚後の生活を安定させるために扶養的財産分与が支払われる場合があります。
・家賃や生活費などで行った借金の場合は、財産分与の対象となります。
しかしギャンブル等の場合は保証人になっていない限り、財産分与の対象になりません。
・財産分与の受け取りは、現実に可能な範囲で早く受け取り終了になる設定が良いです。
養育費
親は子供に対して生活保持の義務があるため「養育費は払わない」等という言葉は通用しません。養育費支払いの義務期間は20歳までです。
また、その金額の受け取りは分割払いが一般的とされます。
養育費の相場は1人でも2人でも4万円以下が一番多いです。
養育費の金額は離婚成立時の経済状況によって決定されます。
もし話し合いで決定しない場合は、家庭裁判所に離婚調停申し立ての際に話し合いを行ってください。
養育費が継続して支払われているのは全体の20%以下になっています。
取り決めた養育費を確実に受け取るには、最低でも離婚公正証書として書面に残す事です。
離婚公正証書があることで、養育費の不払い時には強制回収が可能となります。
離婚慰謝料
離婚の原因である側の配偶者が、もう一方の配偶者に対して離婚にかかる慰謝料の支払い義務を負う事を言います。
離婚慰謝料に多いのは配偶者の不貞行為、次に多いのはDVなどの暴力行為です。
離婚慰謝料の相場は、一般的に50~400万円の範囲内と言われます。
中心帯の慰謝料金額は200~300万円と言われています。
離婚慰謝料の手続き自体は難しくはありませんが、証拠を確定するための興信所費用・弁護士費用などを考えた場合、容易ではなくなります。
※興信所と弁護士費用で慰謝料が消える事も多いです。
離婚慰謝料を決定する場合には、財産分与や養育費、支払い能力等により全体のなかで検討されます。
離婚慰謝料が分割払いの場合に、支払いが停止してしまう事も多いです。
その場合は、離婚協議書や離婚公正証書の残す事で回収が可能となる場合があります。
離婚と言うだけで精神的なダメージが大きいものです。
しかし現実的な生活と言う面を考えた場合、感情だけで離婚するのではなく十分な金銭的な話しあいが必要になります。
これらの取り決めに自信がない場合は、弁護士に相談してみると良いかもしれません。
自分ひとりで悩むよりも専門家の意見を聞き、力を借りる方が、良い結果に繋がるはずです。
まとめ
金銭トラブルのほとんどの対策は一緒だと言えます。
自分をシッカリと保ち、断るべきことは断り、伝えるべきことは伝え、話あいを大切にすることが重要です。
迷ったなら、金銭のやり取りを行う前に第三者の意見を聞くことが、問題の回避に繋がるでしょう。
金銭トラブルは実のところ対人トラブルの延長でしかありません。
第三者に相談することで解決することも多々あります、決して一人で抱え込まないでください。
手取り30万 20代後半夫婦・子供2人の家計を診断!
「未婚のときは親元で生活し、親に5万円渡して貯金もしていた。
私は余りお金を使わない方なの」
「一人暮らしで貯金をしていたのだから、結婚しても共稼ぎだから余裕だよね」
と安心ばかりもしていられません。
結婚する事で実際の生活は一変します。
■結婚後に発生する主な支出要素
まずは、人間関係の付き合い方が変化してきます。
今まで甘えるばかりだった両親に対しても、夫や妻と言う他人が付くことで気遣いが必要になります。
親元にいる間住居費はかからなかった。
家賃等はルームシェアを考えれば、ワンルームでいた頃より2人で借りる方がお得と考えるかもしれません。
しかし、今まで1人で生活していたのに突然に自分だけの空間を失うことになります。
結婚の際にこれを懸念する方がいますが大丈夫ですか?
後々子供が出来る事を考えたら、部屋数の多い場所と考えるか?
生活費を節約するために格安物件を狙うか?
格安物件を狙い過ぎて、自炊がしにくくなっては本末転倒になりかねません。
コンビニや外食を中心にし、週1で飲み会に参加したなら食費だけでも2人で月々10万円掛かってもおかしくないのです。
それならば、住まいを充実させて料理をしやすい環境を整えた方が良いでしょう。
2人の新生活スタートに余りケチケチしていては、相手の嫌な部分が見えてきます。
逆に結婚相手が浪費家だと思ってしまっても大変です。
そうならないためにも、世帯手取り30万前後の家庭はどのような内訳で生活しているかの目安を知っておくと良いでしょう。
また、結婚後に子供が出来る事でどのような変化が生まれるかも考慮し、二人の将来設計を考えてみてはいかがでしょうか?
厚生労働省で発表の国民生活基礎調査の内容では、平成26年の全世帯平均取得金額は541万円となっています。
所得から様々な排除が行われると、平均月収は30万円程度と考えると良いでしょう。
★相談者Aさんの家計状況
◆家族構成(年齢)
夫(27) 妻(26歳) 長男(2歳) 次男(5ヵ月)
※現在、奥さんは専業主婦をされています。
◆世帯収入
税込給与:月々40万円ほど
手取給与:月々30万円ほど
ボーナス:夏・冬共に20万円
◆貯金
夫:100万円
妻:200万円
共有貯蓄:100万円
◆世帯支出
■Aさんのコメント
十分に節約しているつもりではいますが、思うように貯蓄ができません。
子供が病気になったらと思うと怖いです。
子供の衣服やオモチャ等必要なものは、お互いの実家からいろいろ貰っているため助かっていますが、貰ってばかりと言うばかりには行かず、お返しを考えた場合に高価な贈り物を見ると負担に感じています。
お互いの両親が来ると1日我が家に滞在するため、昼夜の食事などを豪華にしなければいけないのが食費の負担と感じているのですが、いろいろ頂ものをしている以上不満も言えません。
自動車は結婚以前に旦那が購入したものです。
日常生活に必須でもないため本当は売却してほしいと思っています。
子供が3歳になるころには、1日5時間程度パートに出る事を考えています。
◆標準世帯との比較
住居費
住居費の平均支出や理想的(収入の25%)よりもかなり安く居住先を準備できていると言えます。
光熱費
光熱費も十分な節約が出来ていると言えます。
2016年からの電力自由化、2017年からのガス自由化により各企業が値下げやサービスを行っています。
価格を比較してみてお安くなるようでしたら、乗り換えてみてはいかがでしょうか?
通信費
スマホ費用2台(20,000円)、インターネット接続費用(5,000円)が大まかな内訳です。
スマホは端末代金と月額料金の合計が各10,000円ずつです。
奥さまが専業主婦をされていて自宅で過ごす時間が殆どと言う場合は、インターネットにWi-Fiを取り付けられることで節約してみてはいかがでしょうか?
現状、格安スマホを利用されていないのであれば、かなりの通信費節約が可能となるはずです。
食費・外食費
自炊40,000 外食費10,000の内訳になります。
節約をなされていると思います。
外食を辞める事で、余裕を失うよりも仲良く外食に出かける事も大切でしょう。
しかし収入との収支バランスを考えた場合に、広告の品や冷凍庫を上手に活用する事でもっと節約が可能となるでしょう。
被服費
現在は、双方の両親からの援助で金額が抑えられているとのことです。
それでも幼児期の子供の成長は大変早いため新しい服がどんどんと必要となるため、不安に思う事でしょう。
子供の成長が早いのは、どのご家庭でも一緒です。
ネットオークション等を利用すれば、十分に見栄えのする新中古品などが売っています。
必要の際にはそちらでの購入を気にかけてみてはいかがでしょうか?
交際費
交際費の殆どは、旦那さまの日頃の酒とタバコの費用で、結婚式や親戚の付き合い等ではないそうです。
交際費とありますが、実質は旦那さまのお小遣いなのではないでしょうか?
旦那さまも、結婚前は1日1箱吸われていたところ、2日に1箱まで減ったと言われています。
小さなお子様もいらっしゃいますし、タバコ代を自分の小遣いとして負担していただき禁煙に努めてもらうのが良いでしょう。
旦那さまに伝えにくい場合は、タバコ費用の半分を小遣いとして渡し、体裁上は小遣いが増えたと認識してもらってはいかがでしょうか?
その他
内訳は結婚以前に購入された旦那さまの車のローンが4万円、ガソリン代が1万円。
このほかに自動車保険6,000円と自動車税、車検代がかかるとのことです。
結婚以前はドライブが大好きだったとおっしゃる奥さまも、ローン返済と維持費でドライブが嫌いなったため、最近は旦那さま一人でドライブに出かけているとおっしゃっています。
それでは、奥さまのストレスも増えるばかりです。
返済元金が残り60万円程度なのなら貯蓄で一括払いしてみてはいかがでしょうか?
目に見える負担が減る事で、奥さまも旦那さまと一緒に楽しめ快適な日常を送れるはずです。
貯蓄
現状は突発的な出来事が起こると、収入を全て使ってしまうだけでなく貯金にまで手を出してしまうそうです。
しかしAさんのお宅にはまだまだ節約できる余地が多くあります。
ほんの少しずつでも節約し、ご夫婦のストレスを減らし夫婦仲良く生活できる日を応援しています。
■まとめ
A夫婦の場合は、お子さまが生まれるまでは夫婦共稼ぎで世帯収入が45万円程度だったそうです。当時の生活は余裕を感じており、今よりも食費や交際費が多かったそうです。
子供が出来る事で仕事を辞め家庭に入った事で、自由にお金を使えない、日々の支払いに追われる生活にストレスを感じ始めたと奥さまは語っていました。
A夫婦の場合はご両親がお子さまに関し積極的な援助してくださると言うのが、強い味方となっています。
誰もがA夫婦のように突然の収入の減少に1度は戸惑うものです。
こうなった場合に、あなたは結婚生活に幸せを感じ続ける事はできるでしょうか?
突然の出来事に困らないように、日頃から出来る節約ポイントは抑えておくと良いでしょう。
家計簿アプリもしっかり使っていきましょう 便利♪
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