キンドルで電子書籍本の出し方※費用はいくらかかる?体験談付き
自分の本を出してみたい、そういう思いを持っている人、結構いるんじゃないですか?でもそんなことできるわけない、出版社にコネもないし、第一、自分の本なんてそもそも売れるわけない。自費出版なんてした日にはそれだけで破産してしまう~、結局あきらめてしまう人もいるかもしれません。
そこで、本を印刷する手間や材料費がかからない電子書籍で発行するというのはいかがでしょうか?具体的には、Amazonの電子書籍「Kindle」(キンドル)という方法があります。今回はこれを紹介します。費用を安くして自分の本を世に広げるチャンスです!
Kindle(キンドル)って何?
Amazonで本を買ったことがある人ならわかるともいますが、通常の書籍版の横に「Kindle版」と書かれたものがあり、値段も数分の1の物があると思います。これがAmazon専用の電子書籍版(Kindle版)になります。電子書籍は色々ありますが、Kindleはamazonでのみ購入可能な電子書籍のデータになります。
□Kindleを読むには?
Kindle版の書籍を読むには専用の電子書籍リーダーが必要になります。電車の中などで大きなタブレットを操作して文章を読んでいる人を見かけたことはありませんか?
おそらくその中には電子書籍リーダーを持っている人もいるのだと思います。
電子書籍リーダーの価格は約10000円~25000円と決して安くありません。タブレット端末としても利用できますが、機能は限定的です。それは、OSがAndroidではなく「Fire OS」だからです。ネットなども見られますがyoutubeの機能も制限されています。
一方で、Amazon関連のサービスならばこれで大丈夫です。つまりKindle版の書籍を読むだけではなく、amazonプライムビデオやプライムミュージックなどを聴くこともできます。amazonに特化して、他にも多少ネットなどができる専用端末とご理解ください。
「でもそれだけでこの価格は高い」という人もいますよね。もちろん、PCやスマホで読むこともできます。その場合、無料アプリをDLしておく必要があります。
・Kindle (モバイルアプリケーション)
・Kindle for PC
PC版アプリ
マッキントッシュPC用アプリ
・Kindle Cloud Reader
ブラウザ版アプリ。
つまり、Kindle版の書籍はスマホやPCがあれば安い電子書籍の価格で読むことができるというわけですね。
Kindleはどう出版する?
Kindleの概要についてこれで理解できました。いよいよどうやって出版するかになります。
Kindle ダイレクト・パブリッシング
Kindleで本を出版するためには「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)というシステムを利用します。これは誰でも利用することができるサービスです。
ファイル形式
KDPで利用できるファイル形式は以下の通りです。
Word:docまたはdocx
HTML:圧縮されたHTMLのzip、.htmまたはhtml
ePub:epub
XMDF:圧縮されたXMDFのzip
表紙はjpg等で作成します。
普通に文章を書いてそれを出したい(小説や評論)の場合
①docで文章を作成
②jpgで表紙を作成
①+②をePubに変換してアップロードするという流れになります。これは実際にやっていただくしかないと思うのですが、細かいことはamazonのHPを読んでいただければと思います。
ロイヤリティの設定
出版ですから売れれば印税が入ります。目指せ!夢の印税生活!なわけですが、KDPでは印税のレートが2種類あります。
・35%
・70%
つまりKindle版1000円の物が1冊売れたとして、上だったら350円、下なら700円が印税として入ります。誰だって70%を選択しますよね、でも条件があります。
ロイヤリティ35%(残り65%はamazon)
・他の電子書籍書店でも販売が可能(楽天koboやiBooksストアなど)
・最安価格で販売が可能(99円)
ロイヤリティ70%(残り30%はamazon)
・コンテンツはアマゾンのみで販売(他店での販売不可)
・販売価格は250円以上
・最大5日間の無料キャンペーンができる
電子書籍とはいえ、知らない人の本に250円以上出せる人はそういません。つまり最初は売れたという実績を作るためには最低格を設定できるロイヤリティ35%のほうがいい場合もあるんです。これは皆さんの判断のしどころだと思います。
内容の審査
検閲ではもちろんなくて、アダルトな内容や見せられない写真がないかどうかのチェックは入ります。出版社を介さないわけですから、こちらはご了解ください。
なお印税率は販売開始後でも変更が可能です。
売れたらどうするの?
KDPはアメリカのamazonのサービスなので、印税からアメリカの税金が引かれたものが入金になります。
なお、日本だけではなく世界のamazonでも販売は可能です(登録時にどの国のamazonで販売するのか選べます。販売しないのも可能で、それぞれ価格を設定しまし。尤も、日本語で書いた知らない人の本はまず売れないでしょうが・・・)。
実際に売ってみた
実は筆者は、このKDPを使って本を出しています。ただし、自分でやっているのではなく、出版社経由で行っています。
なお、Kindle版のデータをそのまま、オンデマンドで印刷して、ペーパーバックで売るサービス「プリント・オン・デマンド(POD)」というものもあります。これは本当に本での出版ができ、また印刷は都度amazonが行うため在庫を抱えなくて済むという画期的なシステムです。
ただし、製本は同人誌に毛が生えた程度の装丁になりますが、実際に本としてあると感慨深いです。これは個人ではできないサービスになります。
実際のKindle版
筆者はワード(doc)で書いたデータを出版社に渡しました。表紙のjpgは出版社のほうがいくつか作成してそれを私が選びました。
データを提出して校了となり、数日でamazonに本が並びました。
これがその画面で、Kindle版324円というのがわかりますよね(300円+税)。
加えて価格の上にある「紙の本の価格1296円(1200円+税)」がプリント・オン・デマンド(POD)版の価格になります。表紙も本ですよね。地味ですが私が出した大切な本です。
どのくらい売れた?
私自身がKDPを使ったわけではないので、売り上げ管理は出版社が行いました。
5月に発刊して12月上旬までの売上は
ペーパーバック版 37冊
Kindle版 20冊
でした。ちなみに出版社と交わした印税契約は売り上げの10%でしたので(出版社から出す本の出版なら一般的な印税です)
ペーパーバック版:1200円×10%×37冊=4440円
Kindle版:300円×10%×20冊=600円
計5040円となりました。
正直に言うと全く儲かるものではないと思います。おそらく印税70%で販売したのだと思いますが、出版社の方で営業をかけて売れたのがこの冊数です。
自分で書いてただamazonに載せるだけでは、よほどキャッチーな内容でなければ売れず、検索にも引っかからないでしょう。
ですので、これで儲ける、印税生活だ!というものではなく、個人だけで電子書籍という形だが出版した、という実績が作れて、しかも自費出版のように100万円以上の持ち出しが全くない、というのがKindleでの出版最大のメリットだと思います。
お金をもらって自分の文章や創作品を見てもらうことの大変さを少しでも緩和できるのが、キンドルでありKDPなんですね。
節約して創作品を世に出せる、あわよくば印税も・・・というのが、Kindleの正しい使い方になります。
もちろん、読む場合は紙よりも安い電子書籍で節約になりますので、本を読む、買う方でも積極的にKindleを活用してみてください!
キンドルで電子書籍本の出し方※費用はいくらかかる? まとめ
・Kindle(キンドル)はamazon専用の電子出版サービス
・専用の電子書籍リーダー端末か専用アプリのDLLが必要
・出版したい場合は「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)を利用する
・すべて個人で行うことができる
・データをアップロードする形で入稿する
・持ち出し費用は掛からない。つまりタダ
・印税は35%か70%から選択できる
・印税率によってメリットデメリットがある
・ただしそれほど売れるものではない(実体験より)
参考: