新幹線のグリーン車が4割引き!?「ぷらっとこだまエコノミープラン」を解説

東海道新幹線に乗る機会は皆さんどのくらいありますか?日本で最初にできたこの東海道新幹線は、東京~名古屋~新大阪という「東名阪」の3大都市をつなぐ日本の大動脈になっています。

それだけに、新幹線を運行するJR東海も強気で、要はニーズが高いのだから値下げを極力せず、実際に値段が高く、「回数券割引」などもあまりありません。今回紹介する「ぷらっとこだまエコノミープラン」(http://www.jrtours.co.jp/kodama/)はそんなJR東海東海道新幹線にあって、大きく値下げが期待できるプランになります。知っておくとなかなかお得な旅ができますので紹介します。

ぷらっとこだまエコノミープラン」の概要

「ぷらっとこだまエコノミープラン」
通常、東京~新大阪間は、「のぞみ」だと約2時間30分で到着します。確かに早いですよね。下手な関東の僻地よりも短時間で行けてしまいます。

しかし、料金は高いです。

乗車券:8750円
自由席特急券:4780円
指定席特急券:5500円

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つまり、

自由席の場合:13530円
指定席の場合:14250円


かかってしまいます。やはり結構しますよね。

そんな中で「ぷらっとこだまエコノミープラン」を利用すると10300円で行くことができます。何と3千円の得になります。これは利用しない手はないのでは?

しかし、「ぷらっとこだま」という名前の通りで、このプランは各駅停車のこだま号に乗るから新幹線料金を下げましょうというプランです。全行程、各駅のこだま号しか乗れません。

「こだま」の場合、東京~新大阪で見てみると約4時間かかりますから、「のぞみ」で行くよりも1時間30分長くかかります。各駅停車のこだまは、途中駅での通過待ちも多く(ほとんどの駅でのぞみやひかりが通過していきます)、線路で止まってしまうことも多いです。

JR東海の優先順位はのぞみ>>>こだまですから、何かトラブルが起きたときはのぞみの運行を最優先することになります。


ぷらっとこだまエコノミープラン」は旅行会社のツアーである

そもそも「ぷらっとこだまエコノミープラン」は「回数券」のように格安チケットではありません。新宿~京都や新大阪であれば回数券も売っているはずで、それならこだまだけではなくのぞみも乗れます。

ぷらっとこだまエコノミープラン」でもらえるのは、JRの磁気乗車券ではなく、旅行会社が発行するスケジュールとその乗車票です。「切符」ではないんです。あくまで「旅行商品」だと思ってください。旅行会社経由で申し込むと、宿泊券なども付いてきますよね。それが乗車票(とワンドリンク券)だけの「一人旅行」として処理されます。現地では勝手に行動してください、という「旅行商品」なんですね。

少し昔のものですがこういうものをもらいます。

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駅ではなく旅行会社に申し込む

これが一番大きいのですが、「ぷらっとこだまエコノミープラン」は駅のみどりの窓口などJR東海の各駅の窓口に行っても取り扱いはありません。駅では切符は売りますが、旅行商品を売ることはないからです。

ぷらっとこだまエコノミープラン」を買うことができるのは、旅行会社です。

具体的には

JR東海ツアーズの本支店
・電話
・インターネット
JTB本支店

電話とインターネットの場合、直接JR東海ツアーズに注文してカード決済になります。当日までに郵送されてくるはずです。ただし、郵送のタイムラグがあるので、出発5日前までしか注文できません。電話申し込みに限り、取りに来てくれるならば2日前まで可となります。

ただし、取りに来るくらいならば、JR東海ツアーズの本支店で直接手続きした方が早いです。

本支店がどこにあるのかは
http://www.jrtours.co.jp/shop/
を見てください。

東京でも東京駅、新宿駅、品川駅で取り扱いがあります。ここならば前日まで申し込みが可能です(当日は不可。「旅行」ですから)

JTB本支店もJR東海ツアーズに準じます。ただ、店員さんが慣れていないかもしれません。

「旅行」の申し込みをして、実際にもらえるのは

・乗車票(自動改札不可)
・1ドリンク券

のみです。1ドリンク飲める安い切符というのが正しいんでしょうが、あくまで「旅行」に申し込むというのが建前になります。


新幹線のチケットとは違うこと

ぷらっとこだまエコノミープラン」は切符ではないですから、通常の乗車券(切符)とは使い方が異なります。裏に磁気がなく、白い紙に印刷されているだけなのです。

自動改札機不可

駅ではなく旅行会社に申し込むのでもらえるのは「切符」ではなく裏が白い「乗車票」です。したがって通常の自動改札機を通ることはできません。申し込んだ時にもらえるかもしれませんが、駅員さんがいる改札を通ります。よく自動改札機の隅にいますよね。あの駅員さんに乗車票を見せて、改札印を押してもらいます。

下車するときも駅員さんのいる改札に行き、乗車票を渡します。自動改札が使えないと覚えておいてください。


指定の新幹線に乗れないと無駄になる

新幹線の「切符」ならば指定席を取った当該新幹線に乗り遅れても自由席には乗れますし、乗車券ならば2日~3日有効のものもあります。その新幹線の指定席には乗れないので、自由席に乗ってください、ということができますが、「ぷらっとこだまエコノミープラン」はその席に乗っていく旅行なので、遅れると使用不可になります。

バス旅行で乗り遅れた人が別旅行には参加できないですよね。切符ではなく旅行に申し込んでいるわけで、それに行かれない場合は無効になってしまいます。

旅行なので飲み物は付いてくる

ぷらっとこだまエコノミープラン」では1ドリンクチケットがついてきます。「旅行」という形態を残すため、食事などの要素を可能な限り削って、1ドリンクを残したと思ってください。「1ドリンクがある旅行」と「何もない切符」の違いです。

ドリンクは駅のキオスクや車内販売で引き換えてもらえます。ソフトドリンクは基本OK、お酒は高いものでなければ大丈夫です。1本のジュースですが、これが「旅行気分」

メリットは大きい

こうしたプランですが、やはりお得だと言わざるを得ません。仕事などでのぞみに乗る人はそれに乗るのが大切ですが、学生の貧乏旅行などではこちらのプランがいいでしょう。メリットについて考えましょう。

繁忙期でも使える

通常、JRの回数券などだと、繁忙期(暮れとお正月、ゴールデンウィーク、お盆)に使うことはできません。しかし「ぷらっとこだまエコノミープラン」は、ゴールデンウイークとお盆には使うことができます。

ただし、値段は閑散期よりも高めになりますが、正規料金も上がっていますので、どちらにしても得なのには変わりありません。

1か月前から予約可能

ぷらっとこだまエコノミープラン」は1か月前から予約できます。もし、あらかじめ旅行のスケジュールが決まっていれば早めに手続きしましょう。「ぷらっとこだまエコノミープラン」はすべてのこだま号に適用されるわけではないので(あとすべてのこだまが東京~新大阪間を走行するわけではない)、時間があるならゆっくり検討するのもいいでしょうね。

グリーン車にも格安で乗れます

ぷらっとこだまエコノミープラン」はグリーン車に乗った方がよりメリットがあります。

指定席(普通の席)だと

東京~新大阪 10300円(3840円引き)

ですが、自由席だと

東京~新大阪 11800円(7120円引き)

となり、割引率、割引価格ともにグリーン車のほうが大きいんです。通常の席の正規料金以下でグリーン車に乗ることができます。

こだま号とはいえ、グリーン車はさすがに快適です。PCやスマホ用の電源もありますし、何より席が広いです。雑誌などもおいてあり、時間をかけて新幹線を楽しみたいのであれば、せっかくだからグリーン車というのもいいと思います。

なかなかグリーン車に乗る機会がないですが、これなら通常の車両に乗るのと同じ(それ以下の)値段で乗ることができます。実は、この割引率が高いグリーン車に安く乗れることこそ「ぷらっとこだまエコノミープラン」最大のメリットだと思いますがいかがでしょうか?

ぷらっとこだまエコノミープラン」の注意点

切符ではなく旅行だよ~と書きましたが、具体的には以下のことに注意してみましょう。

途中下車無効

切符ではなく「△△→□□」までの旅行です。切符ならば途中下車しても問題ないですが(多少切符代金が無駄になるだけですが)、「ぷらっとこだまエコノミープラン」で途中下車してしまうと旅行が成立しません。したがって、欠席などと同じ扱いになってしまいます。

勝手に帰ってこなかったので、当然途中下車しても乗車票は無効です。

「新大阪→東京」の乗車票を持っている人が「新横浜」で下車した場合は、駅員さんに提出しても無効で、新大阪→新横浜の正規運賃をその場で支払うことになってしまいます。

よくJRの切符では「東京都区内」という記載があり、例えば、名古屋から東京までの新幹線の切符を買うと、乗車券に書いてあると思います。これは、東京駅で下車しなくても、JRを乗り継いで、23区内ならばどこでも下車できます。つまり、帰りの切符を買い直さなくてもいい(巣鴨や板橋でも下車できる)ものでしたが、「ぷらっとこだまエコノミープラン」では「→東京」とあれば、一旦は東京駅で必ず改札を通って乗車票を渡さないといけません。そうしないと旅行が完結しないからです。

乗車票を持ったまま池袋駅で降りようとしたら「東京駅まで戻ってください」と言われるかもしれません。


払い戻しはない

切符ならば事前に払い戻しができますが、これは旅行ですから事前に行けなくなった場合は旅行契約の解約になります。解約日がいつかによって、手数料や違約金が発生することになります。自分が「旅行」に参加したから、定員に達して参加できなかった人がいることをお忘れなく。

学割等の併用はできない

学割やジパング割りなどは利用できません。これらはあくまで切符の料金を割引するものです。繰り返しになりますが「ぷらっとこだまエコノミープラン」は「旅行」なので、こちらは利用できません。通常の割引切符と似て非なるものだと思ってください。

いかがでしたか??いくつか注意点を抑えれば、この「ぷらっとこだまエコノミープラン」、かなり使える節約方法だと思いますがいかがでしょうか?

まとめ

・「ぷらっとこだまエコノミープラン」は全行程こだま号に乗る格安プラン
・JR窓口で買う「切符」ではなくJR東海ツアーズが企画する「旅行」
・乗車票とワンドリンク付きのチケット
・添乗員はいない、自分で勝手に行動する
・乗車票は自動改札機不可、駅員がいる窓口で改札
・特にグリーン車に格安で乗れる
・その日、その電車、その指定席しか乗れない(後続の自由車には乗れない)
・途中下車無効、券面の駅で必ず降りる
・学割などとの併用はできない