お金はどこで作られている?造幣局の仕組みを解説
現代社会では欠かせないお金ですが、「お金ってどこで作っているんだっけ?」とふと思ったりしませんか。
作るところとしては造幣局を思い浮かべる方も少なくないでしょうが、実際は造幣局だけではないのです。
今回はお金がどこでどのように作られるのか、造幣局はどんなところなのか、といったお金の製造場所や製造方法などを紹介しましょう。
お金を作っているところはどこ?
お金を作る場所は造幣局と思い込んでいる方は少なくないのではないでしょうか。確かに造幣局は1円や100円などの硬貨を製造しているのですが、紙幣の製造はしていないのです。
現在、両局ともに法律に基づき独立行政法人化され、造幣局は硬貨、国立印刷局は紙幣の製造を担っています。
造幣局の仕事は硬貨の製造だけ?
造幣局では1円、5円、10円、50円、100円、500円の6種類の通常硬貨を作っていることは容易に想像できるかもしれません。
造幣局では、内閣府賞勲局からの依頼で大勲位菊花章、桐花大綬章、旭日章や文化勲章、紅綬、緑綬、藍綬、紺綬、黄綬、紫綬などの褒章が製造されています。
さらに、造幣局では貨幣製造で蓄積した技術を生かして、章牌、メダル、飾り額などの金属工芸品も作っているのです。
国立印刷局の仕事は紙幣の製造だけ?
紙幣が国立印刷局で作られていることを知らなかった方も少なくないかもしれませんが、現在では1万円券、5千円券、2千円券、1千円券、の4種のお札が製造されています。
また、同局では官報の編集や印刷が行われ、法令全書、国の予算書や決算書といった公共性の高い図書の製造も行なわれています。
お金の製造方法
硬貨
造幣局では硬貨を作るためは、溶解~熱間圧延・冷間圧延~圧穿・圧縁・圧印・検査~計数・袋詰め の6つの工程をとっています。
溶解は銅やニッケルなどの硬貨となる材料を電気炉で溶解して、連続鋳造装置という機械によって鋳塊を製造する工程といえるでしょう。
圧穿は上記の板を硬貨の形に打ち抜く工程で、このうち抜かれたものは円形(えんぎょう)と言われています。圧縁は硬貨の円形の周囲に縁をつける工程で、圧縁後この円形は加熱されやわらかくさせられます。
圧印・検査では、硬貨の表と裏の模様、ギザがつけられて製造の作業は終了となります。その後、硬貨の模様やキズなどの検査が行われ、不良品が除外されていくのです。
そして、最後の計数・袋詰めでは検査で合格した硬貨が計数され、袋詰めされて完成となります。
紙幣
国立印刷局では紙幣を作るために、製紙⇒材料製作行程⇒印刷 という3つの大きな工程をとっており、そして各工程はいくつもの作業に分けられています。
製紙工程は紙幣のもととなる紙を製造する工程で、国立印刷局ではみつまたなどのパルクを原料として紙幣用の紙を作っているのです。
という作業が行われ、印刷工程へと回されます。
材料工程では紙幣の製作に必要な版面やインキが作られます。紙幣の印刷に必要な原図をまず作る(原図・原図をもとに印刷用の原版を作る(原版)コンピュータシステムによる製版(デジタル製版)⇒印刷用版面をつくる(版面製作)顔料やワニスなどを調合してインキをつくる(インキ製造) という作業が行われるのです。
印刷工程は上記の工程で準備された紙、インキと版面を利用して行われます。
という作業が実施されているのです。
世界の各通貨はどこで作られるのは?
外国でも日本と同じような機関で紙幣や硬貨が作られています。
国 | 通貨 | 紙幣製造 | 硬貨製造 |
---|---|---|---|
米国 | ドル | 米国製版印刷局 | 米国造幣局 |
欧州 | ユーロ | 各国 | 各国の造幣所 |
スイス | スイス・フラン | スイス連邦造幣局 | オレル・フューズリ |
ロシア | ルーブル | 造幣局 | 造幣局 |
大韓民国 | ウォン | 韓国造幣公社 | 韓国造幣公社 |
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